私は従業員数が30名ほどの小さな広告代理店で16年間、営業の仕事を続けてまいりました。
我が社では主に地元の事業者様の求人募集をお手伝いする仕事を担っているのですが、今現在この仕事を続けていくことに限界を感じております。
ここ数年で広告代理店業そのものが下火になってきており、最近は我が社でも飛び込み営業を行うようになりました。
飛び込み先では長時間かけて向かった先の担当者が不在であったり、露骨な門前払いを受けたりと精神的にもかなり辛い思いをさせられることも少なくありません。
それでも会社の新規顧客獲得のスローガンに沿うよう努力を続けてまいりましたが、最近は出社前になると気持ちが悪くなったり、ひどい時にはめまいで歩けなくなったりすることもあります。
一度は心療内科にもかかってみましたが、その時は「うつ病になりかけている」と診断されました。
医師からはしばらく仕事を休むことも提案されたのですが、我が社は典型的なトップダウン型の会社なのでおそらく長期の休みなど取れません。
仮に休みが取れたとしても、クビになることはないにしろ営業部内での私の立場は今よりもっと悪くなることが予想されます。
幸い私は独身の身なので仕事を辞めても迷惑がかかる相手はおりませんが、年齢も年齢なので転職をすることにも不安を感じております。
もし転職が可能なのであれば、次はもう人と関わらない仕事をしたいです。
今はとりあえず今の仕事を続けながら数ヶ月かけて転職先を探してみようと思っているのですが、人と関わらずにできる仕事にはどんなものがあるでしょうか?
給料は今より安くなってしまっても構いませんが、とにかく誰かに気を使うことなく自分のペースでできる仕事がしたいです。
何とぞ良きアドバイスのほど、よろしくお願い申し上げます。
加藤さん(40代・男性)
ご相談の内容より、まずは今の加藤さんがとても大変な状況にあられることへ心中お察し申し上げます。
精神的な苦痛は肉体的な苦痛よりも耐え難く、後々の体への負担も大きいといいます。
月並ではありますが、私もまずは会社へ休暇願いを出されることを強くお勧めします。
今の会社を辞められる予定なのであれば、仮に社内での立場が悪くなったとしても問題はありませんし、休暇を取られている間にもっと良い解決策や他の妥協案が見つかるかもしれません。
切羽詰まった状態の人間は、視野が狭くなってしまうため得てして悪い選択肢を選んでしまったり、現状を実際の状況よりも悪く捉えてしまいがちです。
今の加藤さんに必要なのは『ゆっくりと休まれる時間』です。
貯金の有無や生活様式などへの不安はあるかもしれませんが、時には立ち止まって自分を見つめ直す時間も大切です。
まずはご自身のお体を一番に「どうすれば休むことができるか」をお考えになることをお勧めします。
人と関わらない仕事
私からのアドバイスは冒頭で申し上げた通りですが、ここから先は加藤さんが休暇中にお読みいただけるように『40代での転職が可能で人と関わらない仕事にはどんなものがあるのか』についてリサーチしてみました。
具体的には下記の4職種が見つかりました。
- 夜勤の施設警備員
- 夜勤の介護施設担当員
- マンション管理人
- ルート配送のトラック運転手
まず初めに申し上げておきますと、どこかの会社に務め人として働かれる場合には『100%誰とも関わらずに仕事をすること』は難しいです。
ですので、できる限り人と関わらずに1人でいる時間が長いお仕事が上記の4つとなります。
まず『夜勤の施設警備員』ですが、営業が終わった後の商業施設や工場の守衛など、一つの施設に専属で入る警備のお仕事が施設警備員です。
基本的には1〜3人体制で警備にあたることが多く、夜間は人の往来も少ないため人と関わる機会は少なめです。
施設警備には1級や2級といった資格もあり資格保持者は就職にも有利になりますが、仕事自体はそれほど難しいものではないため、無資格者や高齢者であっても雇ってもらえるケースは多いようです。
次に『夜勤の介護施設担当員』ですが、高齢者施設やグループホームの夜勤であれば入居者さんも眠っている時間帯のため、基本的には人と接する機会は少なくなります。
ただし介護関係の仕事は経験者や資格保持者を欲しがる傾向にあるため、転職される際には少し苦労されるかもしれません。
それでも無資格で40代から転職された方も多い業界であるそうなので、長い目で見れば受け入れてもらえる施設が見つかるかもしれません。
『マンション管理人』は、文字通り分譲住宅や市営・県営住宅の管理人です。
住民の方々からの苦情やトラブルに関する問い合わせこそありますが、基本的には1人で管理人室にこもって事務作業をしたり、建物内を掃除したりするのがメインのお仕事です。
またマンション管理人も夜勤でのお仕事であれば住民の方々は眠っている時間帯なので、より静かに1人での時間を過ごすことができるでしょう。
ちなみにマンション管理人のお仕事はシニア層が多い職業であるそうなので、40代であれば若手と呼ばれるかもしれません。
最後の『ルート配送のトラック運転手』は毎日決まったルートの届け先に荷物を届けるお仕事です。
運転中は完全に1人ですし、毎日決まったルートの配達先であるため会う人もほとんど同じ方ばかりである可能性が高いです。
気を遣う相手を必要最低限まで絞り込むことで、精神的にも楽になれることでしょう。
キャリアを生かして起業という道も
ここまでは転職という道をご提案してきましたが、16年間も広告代理店で培われた加藤さんの『営業職としてのキャリア』にはかなりの市場価値があると思います。
今は人と関わり合いにならない仕事をすることが最優先であるかもしれませんが、このキャリアを活かして起業するという道もありかもしれません。
起業すれば会社員のときよりも自由に付き合う人を選ぶことができますし、仕事内容も自分の裁量で決めることができます。
実際に起業している私から言わせていただければ、同じ忙しさでも『人からやらされている仕事をしているとき』と『自分で決めた仕事をしているとき』とでは精神的な負担は天と地ほどの差があります。
これは人間関係というよりも主体的な感情からきている面が大きく、一言で言ってしまえば「全て自己責任である代わりに全てが自由」というある種の楽観的な環境が元になっているのだと思います。
もちろん加藤さんに独立の意思がなければ無理にとはいいませんが、せっかくのキャリアを活かすためにも、一度下記のような『キャリア相談サービス』へ相談されてみるのも良いかもしれません。
参考 友達でもない、上司でもない相談相手キャリア相談サービス『mentors』以上が私からの調査報告となります。
本記事が少しでも今の加藤さんのお役に立てれば幸いです。
- 人と関わらない仕事 ・夜勤の施設警備員
- キャリアを生かして起業という道も ・16年間の営業キャリアは市場価値も高い
・夜勤の介護施設担当員
・マンション管理人
・ルート配送のトラック運転手
・キャリアを活かした起業という選択肢も