私は派遣社員として働く、これといった取り柄もない普通の30代の工場作業員です。
最近とくに老後のことを考えると、派遣社員として働き続けていることに強い将来への不安を感じています。
そこで、できれば脱サラして独立起業できないかと考えています。
ただ私は何かの資格を持っているわけでもなく、これといった特技があるわけでもないので、何で起業すれば良いのかわかりません。
考えが甘いのかもしれませんが、まず何から取り組んでいけば良いか、何を勉強するべきなのかもわからず、とにかく毎日が不安です。
最初の一歩を踏み出せる、何か良いヒントだけでも頂ければと思っています。
よろしくお願いします。
コージさん(30代・男性)
「老後の資金には最低でも2000万円は必要」といった政治家さんの発言もあり、昨今ではコージさんのように将来に不安を抱えている30代〜40代の方々が年々増えていると言われています。
かくゆう私も将来への強い不安から独立して起業した人間ですので、今のコージさんのお気持ちは痛いほどわかります。
そこで今回は、コージさんが独立開業をするために『まず何をすればよいのか?』というテーマを軸にリサーチ結果をまとめてみました。
具体的には、下記の2つの方法が現実的のようです。
- 資格を取って個人で起業・独立する
- 資格ナシでも可能なスモールビジネスで起業・独立する
- 選ぶ基準は自分が情熱を持てそうかどうか?
また最終項では、コージさんが起業・独立をする前に確認しておきたい『心得』もまとめてみました。
まずは『個人で起業するのに有利な資格を取得する』という始め方。
次に、資格ではなく『個人で稼ぐためのビジネススキルを実践しながら身につけていくというスモールビジネス』という始め方です。
これら2つの選択肢から、コージさんの未来のあり方のヒントが見つかるのではないかと考えます。
ぜひ、ご参考いただけると幸いです。
目次
① 資格を取って個人で起業・独立する
インターネットの台頭によって資格を必要としない個人ビジネスの成功例が多い現代においても、やはり『資格』が有利に働くケースは多々あります。
資格を持っていないと開業できないビジネス(独占業務)は、それだけで他者への参入障壁にもなりますし、何より顧客や取引先からの信用にもつながりますよね。
そこでまずは『30代の男性が今からでも取得でき、かつ独立開業も目指せるオススメの資格』を3つにまとめてみました。
公認会計士(国家資格)
公認会計士は、経営者や投資家の税務・会計に関する様々な業務や書類の作成などを代わりに担う人のことで、営業力次第では会社の経営コンサルタントも請け負うことができます。
公認会計士の資格を持っていると税理士の業務も行うことができるので、コンサルタントとまではいかなくとも、複数の顧客(個人事業主など)を獲得することで安定した収入を確保することが可能な職業だといわれています。
また公認会計士の試験には専門校卒などの受験資格が必要なく、学歴や年齢を問わず誰でも受験することができます。
ただし弁護士や医師の資格取得に匹敵するほど合格への難易度は高い(合格率は10%前後)ともいわれています。
コージさんが「数字が好き」、あるいは「数字に強く人の助けになりたい」と思えるタイプなのであれば、挑戦してみる価値はあるかもしれません。
【公認会計士の平均年収】926万円(平成30年度 厚生労働省賃金統計調査より算出) 参考 公認会計士の資格なら株式会社クレアールあん摩マッサージ指圧師(国家資格)
あん摩マッサージ指圧師は、その名の通り、あん摩(揉む・叩くなどの手技による健康増進療法)やマッサージ、指圧(指や手のひらで圧を加える技法)を生業とする人です。
高齢化社会の進む今の日本では、年々あん摩マッサージ指圧師の需要も増してきており、仮に医院として開業するリスクを冒したとしても、地元の常連顧客をきちんと獲得することができれば十分に安定した収入を得ることが可能な職業であるといわれているようです。
あん摩マッサージ指圧師を受験するには養成校で3年以上学ぶ必要がありますが、合格率は85%ほどとかなり高いため、コージさんがこの分野に興味があり、時間と費用の折り合いがつくのであれば選択肢の1つとしてはありなのではないかと思います。
似たような資格・職業として『はり師(針治療を行う人)』や『きゅう師(お灸で治療を行う人)』がありますが、あん摩やマッサージと比べると『針』や『お灸』はやや患者さんの精神的な障壁(抵抗感)が高いといわれているので、今回は敢えて外してみました。
ちなみに『はり師』と『きゅう師』の受験資格には『3年以上の養成学校卒業』が必要で、平均年収は350〜400万円ほどであるようです。
【あん摩マッサージ指圧師の平均年収】408万円(平成29年度 厚生労働省賃金統計調査より算出) 参考 あん摩マッサージ指圧師の資格なら長生学園ファイナンシャルプランナー(国家資格)
ファイナンシャルプランナーとは、個人や会社に保険やローンなどの資金計画や資産運用のアドバイスを行う人のことです。
正直ファイナンシャルプランナーは資格だけで独立するにはややリスクが高い職業ではありますが、コージさんが資産運用に強い興味があったり「他にはない魅力的なマネープランを提案してお客さんの力になりたい」と思えるのであれば、ファイナンシャルプランナーとして成功する可能性は高いかもしれません。
しかしながら、ファイナンシャルプランナーの勉強をする一番のメリットは『お金に関する知識(マネーリテラシー)がつくこと』であるともいわれています。
お金の管理が得意になれば、資格取得のために勉強して得たマネーリテラシーを自分で活用して『個人投資家』として活躍することもできます。
ちなみにファイナンシャルプランナーの資格は『3級』『2級』『1級』の3段階制になっており、一番難易度の高い1級の合格率は10%ほどであるようです。
【ファイナンシャルプランナーの平均年収】300〜400万円(平均年収.JPより)② 資格ナシでも可能なスモールビジネスで起業・独立する
次は資格がない個人でも起業可能な『スモールビジネス』という方向性をご紹介していきたいと思います。
こちらは資格の取得を目指すのではなく『個人でお金を稼ぐスキル』を実践しながら身に付けていくという方法です。
コージさんが「習うより慣れろ」というタイプなのであれば、資格取得を目指して起業・独立するよりも近道になるかもしれません。
ここ数年、特に20代の若い世代の個人起業家が増えているといわれていますが、彼らの多くが行っているのが、この『スモールビジネス』と呼ばれる新しい時代のビジネスモデルです。
前項の『資格を取って個人で起業・独立する』では、主に実社会での仕事がメインな資格・職業をご紹介してきましたが、本項のスモールビジネスでは『インターネットをフル活用したビジネス』を中心にご紹介していきます。
なぜなら個人で行うスモールビジネスは、インターネットとの相性がとても良いからですね。
実際に私も現在、個人でビジネスを行なっている一人ですが、私のビジネスもインターネットがないとできない仕事ばかりです。
またインターネット上のビジネスであれば、実社会で必要な店舗取得費用などの初期にかかる経費を大幅に削減できるほか、人手がなくともネット広告やSNSなどを活用することで、個人でも大規模なビジネスを展開することが可能です。
現代のインターネットビジネスには、大きく分けて『物販型ビジネス』と『コンテンツ型ビジネス』という2種類の形があります。
物販型ビジネス
物販型ビジネスとは『形のある商品』を仕入れ、その商品を仕入れ値よりも高く売るという昔からある王道のビジネスモデルです。
販売する商品はインターネットを使えば海外から仕入れることもできるので、大げさな言い方をすれば世界中からコージさんの好きな商品を仕入れることも可能です。
ネットがなかった時代には『業者相手にのみ』しか卸を行なっていなかった問屋も、現在はネットを使って個人に卸してくれるところも増えています。
また安定的な仕入れは難しいですが、Yahooオークションやメルカリ(海外であればeBay)といった個人売買サービスを利用すれば、商品の仕入れ値をかなり安く抑えることも可能です。
物販型ビジネスを行うための手順は以下の通りです。
- 市場(売れる商品)をリサーチする
- 自分なりの商品の売り方(独自性)を考える
- 売れる算段がついたら、できるだけ安くその商品を仕入れる
- 販売を開始し、修正していく
ちなみに個人がビジネスを行なっていく上で一番重要なポイントは、一番最初の『リサーチ』です。
どんなビジネスモデルであってもリサーチは最重要項目で、このリサーチの段階でそのビジネスの成否の8割は決まってしまうともいわれています。
リサーチしてどんな商品を扱うのかが決まれば、次はコージさんなりの商品の売り方(独自性)のアイデアを考え、最後にできるだけ安く仕入れられるところを探します。
販売方法に関しては、自分でサイトを作って商品を販売しながら、Amazonや楽天、Yahooショップといった大型ネットショッピングモールに出品する手法が最も主流であるようです。
コージさんがお客さん相手の商売が好きであったり、過去に「お店を経営してみたい」と思っておられたのであれば、インターネットを使った物販型ビジネスはオススメです。
参考 物販型ビジネスを学ぶなら物販総合研究所コンテンツ型ビジネス
コンテンツとは本来「中身」という意味ですが、昨今は『現実的に形のない商品』、例えばWEB上のニュース記事や個人ブログの記事、アプリや電子書籍・Youtubeなどで公開されている動画も(デジタル)コンテンツとして定義されています。
デジタルコンテンツの1番のメリットは『複製にかかるコストがほとんどかからない点』です。
例えば仮にコージさんがアプリを作ってApp Storeで販売した場合、1ダウンロードされても10000ダウンロードされてもコージさんにかかる手間はほとんど変わりませんが、売り上げ額は1万倍になります。
これがデジタルコンテンツ型ビジネスの一番のメリットであり、最大の魅力でもあります。
今の主流のビジネスモデルでいえば・・・
- 個人ブログを運営しGoogleアドセンスやアフィリエイト広告で稼ぐ
- アプリを開発し販売する(無料アプリの場合は広告を貼るなど)
- Amazonや楽天koboなどで電子書籍を販売する(個人出版)
- Youtubeで個人チャンネルを運営する(広告収入)
といった手法があります。
Googleアドセンスとは『Googleが提供する広告配信サービス』のことで、Youtubeに出てくる広告は全てGoogleアドセンスです。
つまり自分の運営するブログやYoutubeチャンネル、またはアプリなどにGoogleが提供する広告を貼らせてもらい、広告費の一部を受け取れるという仕組みです。
Googleアドセンスを個人のブログやサイトに貼りたい場合は、Googleの審査(まずは10記事ほどを執筆してブログやサイトの形がある程度できてからGoogleの審査員に見てもらう)を受けて合格する必要があります。
Youtubeの場合はチャンネル登録者数1000人以上・累計視聴時間4000時間をクリアすれば審査を受けることができ、これに合格することで自身の動画に広告を貼ることができるようになります。
これがGoogleアドセンスで収益を得る仕組みです。
参考 Googleアドセンスを学ぶなら【下克上∞】株式会社moveまたGoogleアドセンスは扱う広告の種類を自分で細かく選ぶことができませんが『アフィリエイト』という方法であれば、自分が宣伝したい商品だけを選ぶことも可能です。
アフィリエイトとは『ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)』と呼ばれる広告を出したい企業(商品)が登録しているサイトに自分のメディア(ブログやYoutubeチャンネルなど)を登録し、Googleアドセンスと同じように審査を受けて合格することで広告を貼ることができるようになります。
またアフィリエイトで紹介した商品が売れた場合の報酬は、平均的に見てGoogleアドセンスよりも高額な場合がほとんどです。
さらには物販型のビジネスと違って『最初にお金を出して商品を仕入れなくて良い』というメリットもあります。
ただしGoogleアドセンスは広告が見られたりクリックされただけで報酬が貰えますが、アフィリエイトは基本的に広告から商品が売れなければ報酬は貰えません。
コンテンツ作りをメインとしたGoogleアドセンス型を選ぶのか、販売戦略重視でアフィリエイトを選ぶのかはコージさん次第です。
参考 アフィリエイトを学ぶなら【Unlimited Affiliate 2.0】株式会社ミスリルまたアプリにはアプリ用の広告サービス(Google以外にもあります)というものがあり、無料アプリの収益のほとんどはこうした広告収入で運営されています(一部、有料ガチャなどのコンテンツで収益を上げているアプリもあります)
最後に『電子書籍』は個人出版のハードルを大幅に下げたサービスとして注目を集めており、ほとんど初期費用をかけることなく自費出版をすることが可能です。
有名どころでいえば『Amazonのkindle(アマゾンキンドル)』や『楽天のkobo(コボ)』などが有名です。
Amazonや楽天では、自分で書いた原稿を電子書籍として読める形式に変換することで、誰でも自主制作の書籍を販売することができるようになります。
またAmazonには『kindle Comic Creator(キンドル・コミック・クリエイター)』や絵本専用の『kindle Kids Book Creator(キンドル・キッズ・ブック・クリエイター)』といった無料で電子書籍を作ることができるツールも配布されています。
参考 kindle Comic CreatorのダウンロードAmazon 参考 kindle Kids Book CreatorのダウンロードAmazonただし自費出版した書籍は「自分でネット広告を出稿する」「ブログやSNSなどで宣伝する」といった活動をしなければ、ビジネスとして成り立つほどの収益を得ることは難しいので、最初から「どうやって宣伝するか?」も同時に考えておいた方が無難です。
③ 選ぶ基準は自分が情熱を持てそうかどうか?
ここまでいくつかコージさんが起業するための方法をご提案してきましたが、お役に立てるものは見つかったでしょうか?
これは最後に私からの個人的なアドバイスになるのですが、この先コージさんが起業家としての道を選択される際には「自分自身が情熱を持てそうかどうか?」を一番に考えて決断されることをオススメします。
私は職業柄、今までたくさんの起業家の方たちとお会いしてきましたが「儲かりそうだから」「ラクそうだから」「簡単そうだから」という中途半端な理由でビジネスを始められた方は、ほとんどが途中で挫折するか、ビジネスそのものが頓挫し廃業されてしまっています。
世の中には『好きこそ物の上手なれ』という言葉がありますが、情熱を持って仕事やビジネスに取り組んでいる人はやる気やアイデアもどんどん湧いてきますし、成功するまで決して諦めません。
これが結果的に他者からの参入障壁にもなり、自分だけの独自性・強み(USP/ユニーク・セリング・プロポジション)にもなります。
一見すると遠回りのように感じるかもしれませんが、まずはお金や収益のことを一旦、頭の片隅に置いておいて「自分がやりたいこと」や「自分が好きなこと」は何かをじっくりとお考えになることをオススメします。
本記事がコージさんのお役に立てれば幸いです。
- 資格を取って個人で起業・独立する ・公認会計士
- 資格ナシでも可能なスモールビジネスで起業・独立する ・物販型ビジネス
- 選ぶ基準は自分が情熱を持てそうかどうか? 「自分がやりたいこと」や「自分が好きなこと」は何かを先に考える
・あん摩マッサージ指圧師
・ファイナンシャルプランナー
・コンテンツ型ビジネス