「虚言癖って治療できるものなのでしょうか?」20代男性

「虚言癖って治療できるものなのでしょうか?」20代男性

この記事を書いた人
山田ライオン
ピスタ代表

学生時代は生徒会長も務める真面目な生徒として過ごすも、家庭の事情から素行が乱れ地元の不良グループへ。更生し20代で起業するもわずか半年で倒産。その後アルバイトをしながらWebデザインやマーケティングを学び2014年に独立。初めてWebディレクターとして手がけたサイトは月間130万PVを誇る人気サイトに。2020年「もっと誰かの役に立ちたい」と『お悩み相談サイトピスタ』を設立。好きな寿司ネタはびんトロ。

今回のお悩み

初めまして。

僕には嫌なクセというか、とっさにウソをついてついてしまう虚言癖みたいなクセがあります。

自分で言いながら相手の反応で嘘を見抜かれてると感じることも多いのですが、それでもついつい嘘をついてしまいます。

この虚言癖が原因で友達とかからの信用を失っている自覚もあるのですが、それが不安になってまた別の嘘をついてしまいます。

仲の良い友達とかは、僕が虚言癖のある人間だとわかっていて合わせてくれているんだと思います。

寝る前とかに「なんであんな嘘をついちゃったんだろう」と思うことも多く、それを思い出すだけで叫びたいほど恥ずかしくなることもあります。

こういう虚言癖みたいなクセって治療できるものなのでしょうか?

田中マンさん(20代・男性)


ピスタでは本来ご病気や疾患に関するお悩みは受けられないのですが、田中マンさんの症状はまだまだ軽い方でご自身で治療することも十分に可能であると思われるため、このお悩みにお答えしたいと思います。

人は誰しも小さなウソくらいはつくものです。

ただ田中マンさんはそんな他の人たちよりも少しだけ嘘をついてしまう回数が多いだけなのだと思います。

事実、本当の虚言癖を患っている人は自身が嘘をついているという自覚もなく、その嘘に対して罪悪感を感じることもないそうです。

そこで今回は田中マンさんの『嘘をついてしまうクセ』を自分で治療できるようなアイデアをまとめてみました。

  1. 虚言癖を持つ人の特徴
  2. 虚言癖を治療法

本記事が田中マンさんのお役に立てると幸いです。

虚言癖を持つ人の特徴


こころと脳の相談室を運営し、精神科医でもある林公一氏によると「虚言癖を持つ人にはある共通の特徴がある」のだそうです。

参考 精神科Q&ADr 林のこころと脳の相談室


それは「自分の価値を誇大的に評価している」や「夢想にとらわれている」「過剰な賞賛を求める」など。

ただしこれらは『自己愛性パーソナリティ障害』という精神疾患の疑いがある人の特徴なので、ウソをついてしまっているという自覚もあって症状の軽い田中マンさんであれば、当てはまる項目は少ないのではないかと思います。

それでも自分の『変な癖』や『習慣』を治したいという場合には、根本的な原因を突き止めて改善していく方法がもっとも効果的です。

例えば『夜中についつい食べ過ぎてしまう癖』を治すためには「食べる量を減らす」というその場凌ぎの対策ではなく「夜中にお腹が減らないような対策」をするべきです。

それらを踏まえ、今の田中マンさんが「ついつい嘘をついてしまう原因」と思われるものを大きく分けて3つに分類してみました。

  1. 人によく見られたい願望が強い
  2. 思い込みが激しい
  3. 自分に自身がない

事項から一つずつ見ていきましょう。

虚言癖の治療法


先ほど挙げた「人によく見られたい願望が強い」「思い込みが激しい」「自分に自身がない」という3つの特徴は、軽度の虚言癖を持つ方に見られる基本的な特徴であるといいます。

ということは少なくとも上記の3つに気をつければ、田中マンさんのついつい嘘をついてしまう癖も改善されるのではないかと思われます。

それではこれら3つの特徴を改善していくための治療法を1つずつ順番に見ていきましょう。

①人によく見られたい願望が強い


多くの人は「自分のことを他人からよく見られたい」という願望を持っているそうですが、この願望が人よりも強すぎると八方美人になって誰にでも良い顔をしようとしたり、人によってはウソをついてしまったりするのだとか。

これを改善するための方法は「他人の目を気にしないようにする」ことなのだそうです。

とはいえ今日まで人の目を気にして生きてきた人が、いきなり「もう人の目を気にしないで生きていこう」とすぐに切り替えることは難しいでしょう。

その場合は「自分の課題と他者の課題を切り分けて考える」という方法が効果的です。

これは自己啓発の源流ともいわれるアドラー心理学の言葉なのですが「この人は自分のことをどう思っているんだろう?」といった自分ではどうしようもできない問題を『他者の課題』と割り切ってしまうことで、自分の課題に集中するというものです。

これにより自身の課題だけに集中することができるので、少しずつ他人の目や反応が気にならなくなり、人生そのものも生きやすくなるといいます。

この『課題の分離』についてもっと詳しく知りたいという場合は、下記の書籍『嫌われる勇気』を読まれることをお勧めします。

②人より思い込みが激しい


人より思い込みが激しい性格の人や心配性な人は、その不安を払拭するためについついウソをついてしまうというケースがあるそうです。

実は私もこの手のタイプで、人一倍失敗を恐れるあまり行動に移せないことが多々あります。

そんな自分の性格に対する対処法はとても簡単で「世の中の心配事の9割は実際には起こらない」という禅の教えを頭の片隅に置いておくことです。

場合によっては「8割起こらない」「ほとんど起こらない」などと言われることもありますが、重要なのは「細かいことを気にしてもしょうがない」とある種、諦めにも似た境地で肩の力を抜いて物事に取り組むことです。

この考えを持っているだけでも自分に無理をする場面が減るので、不必要なウソをつく機会も自然と減るはずです。

③自分に自身がない


最後は「自分に自身がない」です。

実はこの手のタイプは日本人に多く、この性格のせいで自分の意見を言えない人や断ることが苦手な人が多いと言います。

こちらも「じゃあ今日から自分に自信を持とう」というのは難しいのですが、自分に自信をつけるとても良い方法があります。

それは『自分との約束を守る』という方法です。

人は自分との約束よりも他人との約束を優先する人が多いのですが、これは自分自身を裏切っていることと同義であるため、どんどん自分自身を信用しなくなっていってしまうといいます。

自分を信用しなくなると次第に人は自分への自信を失っていき、その結果自らの殻の閉じこもって他人の目ばかりを気にするようになるのだそうです。

それくらい「自分が自分にした約束」というものは大切なのですね。

自分への約束とは、例えば「明日の朝は何時に起きる」や「この課題は今日中に終わらせる」といった小さなことから「いつまでに資格を取る」「何歳までにこの地位に上り詰める」といった大きなことまで様々です。

こうした自分への約束事を紙に書き記し、毎日目に止まる場所に貼っておくという方法も効果的です。


ここまでにご紹介した3つの治療法を日常に取り入れて習慣化していただくことで、きっと田中マンさんの「ついついウソをついてしまう癖」も自然と改善されていくはずです。

全ての方法がすぐに始められる簡単なことばかりですので、ぜひとも今日から実践してみてくださいね。

以上が今回、私のリサーチした調査報告となります。

本記事が田中マンさんのお役に立てると幸いです。

まとめ
  • 虚言癖の治療法
  • ・自分の課題と他者の課題を切り分けて考える
    ・「世の中の心配事の9割は実際には起こらない」という禅の教えを頭の片隅に置いておく
    ・自分との約束を守る